GT roman

  • 作者:西風
  • 出版社:集英社
  • 掲載誌:ヤングジャンプ
  • 巻数:全11巻

GT romanの概要や設定

静岡県の沼津にあるカフェバー「roman」。

そこのマスターは、元近隣の暴走族の相談役として名を馳せていたが、今は(少し)落ち着いて、のんびりとカフェを営んでいる。

マスターをはじめ、そのお店の常連客も車好きが多く、それも今の乗用車ではなく、旧車や外国車、ヒトクセもフタクセもある個性的な車ばかり。

乗るだけではなく、自ら車自体に手を加えることも皆の楽しみの一つ。

そんなエンスージアストたちの、車と関わる日常の悲喜こもごもを、ゆったりとした雰囲気で描いた作品。

車漫画といいつつ、派手なレース展開や勝負などはほとんどなく、ただただ車好きの憎めないキャラたちを丁寧な描写(特に車のイラスト)で描いている、車漫画の異色作です。

GT romanのストーリーについての評価

基本は1話完結のストーリー構成となっていて、各話、カフェ「roman」の常連客、またはたまたま立ち寄ったお客の車に関わるエピソードを綴っています。

ちょっとくすっとくる話や切ない話など、それぞれキャラとそれにまつわる車によってその内容は様々で、しかし小難しいウンチクなどはほとんどないので、車にあまり詳しくない読者もするっと入り込みやすいものとなっています。

それどころか、この漫画をきっかけに、旧車に興味を持ち始めて、ついには自分もエンスージアストになってしまった、という読者も少なからずいるようで、それだけ旧車の魅力をたっぷりと伝える内容が各話に散りばめられています。

GT romanの面白かった点・良かった点など

とにかくマニアックな旧車や外国車が毎回登場するのに、決してそれを前面に押し出したりはせず、あくまでその車を愛する「乗り手」の感情とエピソードをメインに当てているストーリー展開がとても気持ちがいいです。

良く出てくる描写で、その回のメインキャラが車を走らせながら車に「語りかける」シーンがあります。

この描き方で、「GT roman」という作品は、ただただ珍しい車自慢をする漫画なのではなく、「人と車との対話」の妙を描いた作品であるというところがじんわりと読者を惹きつける魅力となっています。

いかに乗り手が愛車を愛し、手塩をかけているか。また車も、いかにその乗り手の思いに答えるか。その思いのやりとりが見所となっています。

GT romanの不満だった点・問題点・難しかった点など

車に関する難しい表現や専門用語などはほとんどない、と言いつつ、作品の性質上やはり何箇所かは出てこざるを得ません。

車に全く興味のない、それこそ若い一般女性(最近ではゆとり世代の男性もかもしれませんが)にとっては、ちんぷんかんぷんでしょう。

マニアックな車に関するエピソードがメインになるため、広く一般受けができないところが難点といえます。

ネットが普及した現代なら、わからない専門用語はすぐ検索すれば済みますが、この作品の連載当時はそうはいきませんでしたので、ちょっと難しい言葉が出てくると「ついていけない」と投げ出してしまった読者も多かったと予想できます。

そのハードルの高さが、この作品の魅力である反面、欠点であったとも言えるでしょう。

GT romanはどんなことが伝えたかったのか

どんなジャンルであれ、「マニアック」な人たちというものはやっかいなもの。

のめりこみすぎて、自分や家族の時間まで犠牲にして、お金も湯水のようにつぎ込んでその「趣味」に費やす。

ハタから見れば、いい年なんて馬鹿なことをしているんだろうこの人(たち)は、と思われていることは明白。この「GT roman」に出てくるキャラたちも、旧車・外国車に魅せられた、そんな「馬鹿な大人」たちばかりです。

でも、そんな人たちが、自分の大好きな車に関わることによって得られる至福の時間、楽しさなどを、あくまで「大人な」空気感でじんわりと伝えたい、という作者の意図が感じられます。

「理解してくれなくていい。ただ、『仕方ないなぁコイツは』と笑ってやってくれ」という気持ちが、キャラを通じて、作者から出ているのでしょう。

旧車だけでなく、全てのジャンルの、「マニアックな大人」に捧ぐ。そんなメッセージが込められた作品です。



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