2017年8月11日、トヨタとマツダが資本提携を行うことが発表されました。
- 米国での完成車の生産合弁会社設立
- 電気自動車の共同技術開発
- 先進安全分野における技術連携
- コネクティッド技術の共同開発
- 商品補完の拡充
を行い、クルマを愛するもの同志が「もっといいクルマをつくる」ための提携を目指すものと発表されています。
そのメリットやデメリット、その提携による変化について書いてみます。
▼ 目次
提携に関する動画まとめ
マツダとトヨタ、業務資本提携に関する共同記者発表会
トヨタ・マツダの提携の謎
トヨタとマツダの提携 発動される4つの策とは?
現在のマツダとスズキとの提携関係と今後
現在マツダで販売されている軽自動車は、すべてスズキのOEMとなっています。
この関係は90年台から続いている長い関係で、トヨタとマツダの提携関係が進むことによってスズキがマツダとの提携から外れ、トヨタ子会社であるダイハツからマツダへ軽自動車がOEM供給されるという方向性も見えないことありません。
ですが、電気自動車や先進安全分野などの共同開発をすすめるといったトヨタとマツダの提携関係からして、マツダへの商品補完の拡充という目的のある提携とは言えど、スズキとマツダの関係性は今回の提携では変化はないのではと思われます。
また、マツダの軽自動車に関しては海外に展開していないという点も大きいでしょう。
現在のマツダと日産との提携関係と今後
現在、マツダと日産ではOEMで車種を供給し会う関係になっており、日産からマツダへは商用車の日産のNV150 ADバンがマツダ・ファミリアバンとして供給され、マツダから日産へは7人乗りミニバンのプレマシーがラフェスタハイウェイスターとして供給されています。
今回のトヨタとの提携で、トヨタから商用車のプロボックスがマツダファミリアバンとして供給されることが報じられており、サイズが同等な商用車日産NV150 ADバンの供給は終了となる可能性があります。
また、マツダプレマシーの生産は終了が決定しており、後継モデルも存在していないため、日産ラフェスタハイウェイスターも同時に廃止になる可能性が高く、トヨタとの提携が進むと日産とマツダの関係はかなり薄いものとなることが考えられます。
現在のトヨタとマツダの関係(ハイブリッドシステム)
現時点、マツダとトヨタでは、トヨタからハイブリッドシステムが供給され、アクセラに搭載されています。
ハイブリッドシステムそのものの供給は現時点ではマツダだけで、トヨタと関係があるスバルにもハイブリッドシステムの供給は行われていません。
一方、マツダからは、日本未発売のデミオのセダンタイプがトヨタへ供給されており、北米など海外市場でデザインを若干変えてトヨタのエンプレムをつけて販売しています。
これはトヨタとマツダの提携が発表される前の関係で、スバルからトヨタへ車体供給に近い86とBRZの関係のあることと比べて考えても、トヨタとマツダでの補完関係は強いともいえます。
トヨタとマツダの電動車の供給関係
今回の提携では電気自動車の共同技術開発が発表されています。
トヨタ自体には電気自動車の技術がある程度あり、市販車ベースの電気自動車を販売したこともあり、モーターで駆動し、バッテリーも搭載している水素燃料電池車も実際に販売し、プラグインハイブリッド車も実際に販売していますが、マツダは自前での電動車の技術はないに近いのが現状です。
一時期、水素ロータリーエンジンのモーターショー出展などもありましたが市販には至りませんでした。
この面から、電気自動車の開発に関しては、ある程度トヨタが主導的になるのではないでしょうか。
マツダからは、車体制御の技術など従来からの自動車の走行性能を高めるテクノロジーを電気自動車に活かす供給などが考えられます。
トヨタとマツダの近い将来の供給関係
トヨタとマツダの提携関係で、スバルとトヨタの提携から生まれたBRZと86のような「提携関係から生まれた車」の登場を期待してしまいますが、ロータリーエンジンは現在市販車に搭載されていない技術であること、また、マツダが優位なディーゼルエンジンはトヨタでもヨーロッパである程度展開しているあたりから、現実的な範囲でトヨタ・マツダの協業によるスポーツカーのような華やかな提案は当面はないと考えられます。
現実的なラインではマツダが撤退を発表したミニバンのジャンルにトヨタからノア・ヴォクシータイプの供給などは考えられます。
トヨタのラインナップの広さから、マツダがOEMで入る可能性は低そうです。
また、トヨタ・レクサスなどの高級車の供給はマツダの現在の販売ラインからは考えにくいでしょう。
まとめ
トヨタとマツダの資本提携によって、マツダにも電気自動車関連の技術が得られ、様々な供給関係によってマツダの経営はかなり安定的なものとなるでしょう。
そのため、マツダが力を入れているエンジン開発や、、車体制御システムの開発も安定して進められるので、マツダにとっては大きな意義のある提携といえます。
トヨタはどちらかと言うと、当面は車種や技術の供給中心に回るため、トヨタはマツダのテクノロジーのブランドの強さなどをうまく取り入れられるかなども今回の提携のカギとなるでしょう。
愛車の価値が
下がる前に
お試し査定もOK!



「車査定・買取の窓口」は、一括査定サービスのように複数社からたくさん電話がかかってくるのではなく、窓口が最も高い買取会社を選定してくれたうえで連絡してくれます。

ですので、従来の一括査定サービスのように、多くの業者とやり取りをするという面倒な手間がありません。
自分で色々な業者と話をしたり交渉したい人は普通の一括査定サービスを利用すればいいですが、そうじゃない人は、車査定の窓口を利用して「愛車をもっとも高く評価してくれる業者を選んだうえで連絡をもらう」方がおすすめです。


