令和になって頻繁にニュースや新聞をにぎわせる高齢者の事故。
アクセルとブレーキを踏み間違えて暴走し、「けが人や死亡者が多数出た」という痛ましい報道を頻繁に目にします。
6月18日付の朝日新聞によると、政府はこの問題に対応するために”自動ブレーキ限定免許”を検討しているとの事。
確かに自動ブレーキ限定にすれば、事故は減るかもしれません。
でも本当にこれがベストな解決法なのでしょうか?
今回は高齢者事故の観点から、この問題の本質や解決方法、さらにマスコミの報道の姿勢について論じたいと思います。
▼ 目次
5秒で分かる!自動ブレーキとは?
「自動ブレーキ」とは、正式には「衝突被害軽減ブレーキ」と言い、自動車が障害物を感知してブレーキを補助する機能のことを指します。
その機能を搭載した車を、一般的には自動ブレーキ車と言います。
危険なのは高齢者だけではない
加齢とともに体の能力が落ちますし、高齢者の判断力が鈍るのは間違いのない事実です。
しかし、危険なのは高齢者だけなのでしょうか?
実際はそうではありません。
高齢者が事故をするのと同じように、若者も中年も事故を起こしています。
マスコミが高齢者の事故ばかりを取り上げるから、高齢者の事故が増えているように見えるだけです。
マスコミが何か事件や事故を頻繁に取り上げると「最近○○○○が増えてるんですって!」なんて空気になりますが、冷静に数字を見ると、特にそんな傾向はないということは多々あります。
なので、高齢者用に自動ブレーキ限定免許をつくったところで、根本的な解決法にはなりません。
「車は凶器」という認識の欠如。銃のセーフティがはずれている状態と同じ
高齢者に限ったことではありませんが、交通事故の増加には、「車は凶器である」という認識の欠如があると思います。
車はとても便利な道具です。
いつでもどこでも、自分の行きたいところへ連れて行ってくれます。
でも車を運転する人の中で、「車は凶器である」という認識を持っている人はどのくらいいるでしょうか?
飲酒運転なんかは論外ですが、道を歩いていると、攻撃的で威嚇するような運転、横着な運転をする人をたくさん見かけます。
子供が歩いている通学路を信じられない猛スピードで駆け抜けるような運転をするドライバーもたくさんいます。
1トンを超える鉄の塊が、時速数十キロで人の近くを走る。
これって非常に怖いことです。
いわば、車の運転をしている状態というのは、銃のセーフティがはずれていて、トリガーに指をかけていて、銃口を人に向けている状態と同じなんです。
ハンドリングをちょっとミスしただけで人を簡単に殺してしまいます。
でもそういう意識をもって車を運転している人、ほとんどいないのではないでしょうか?
「自分は簡単に人を殺すことができる道具を手にしている」
車に乗り込む前に気を引き締めるべきだと思います。
マスコミの報道姿勢も疑問
前述したように、交通事故は高齢者だけの問題ではありません。
しかし、マスコミが連日高齢ドライバーの事故を特集するため、高齢者の事故がケタ違いに増えているように錯覚させられているんです。
きっと世間の関心が薄くなった瞬間、この手の報道はほとんど放送されなくなるでしょう。
例えば、一時期世間を賑わわせた「あおり運転」の話題。
毎日話題になっていたのはどこへやら、最近では全く見なくなりました。
きっと来年の今頃になれば、マスコミは高齢ドライバーの交通事故を報道しなくなっている可能性は高いです。
マスコミは「高齢者の運転は危ない」というイメージを植え付けるのであれば、同時に解決策も提示すべきでしょう。
「高齢者はこんなに危ない」「免許の返納をすべきである」とはやし立てるのもありですが、どうしたら高齢者の事故は無くなるのか本気で考えるべきです。
マスコミが世論を作って動かせば、それは大きなエネルギーになり、国もルールの整備をせざるを得なくなります。
安全装備を標準装備すべき
私が考える解決策はただ一つ。
それは「自分が運転する車に安全装備を装着すること」です。
安全装備を全ての車に装着するためにはどうしたらいいか、以下の観点から考えてみます。
①メーカーの取り組み
これから販売する車には、自動ブレーキシステムや誤発進防止システムなどを全車搭載にすべきだと思っています。
技術があるのであれば、なぜ標準装備しないのか。
これは自動車メーカーの責任です。
マスコミが誰も「自動車メーカーは全車安全装置を標準装備すべき」という意見を言わないのが気になります。
スポンサー企業に忖度しているのでしょうか?
②ユーザーの取り組み
車を購入する私たちも積極的に安全装備を付けるべきだと思います。
安全装備を搭載すれば、その分車両価格は上昇してしまうかもしれません。
しかし、安全はお金では変えられません。
重大な事故を起こしてから後悔しては遅いのです。
ナビゲーションシステムやドレスアップにかけるお金があるのであれば、まず最初に安全装備にお金をかけるべきでしょう。
皆が「車は凶器である」と認識し、安全装備を当たり前のようにつけるようになれば、メーカーも標準装備にするはずです。
③行政、保険会社の取り組み
安全装備を装着することで価格が上昇した分は、自動車保険や減税制度で還元すればよいと思います。
自動車事故が減ることが期待できるので、自動車保険の割引制度を作るのも検討すべきでしょう。
割引制度があれば安全装備の普及も進みやすくなります。
このように、
- メーカー
- ユーザー
- 保険会社、行政
が一丸となって取り組めば、安全装備の普及はもっと進むはずです。
なお話は少しそれますが、ドライブレコーダーも全車標準装備にするべきだと思っています。
事故を起こした時の証拠になりますし、なにより安全運転しなければ!という意識が芽生えます。
まとめ
自動ブレーキ限定免許制度を作れば高齢ドライバーによる痛ましい事故は少なくなるでしょう。
でも、交通事故を起こすのは高齢者だけではありません。
交通事故を減らすための根本的な解決策は、安全装備を標準装備することだと考えます。
これは一朝一夕でできることではありませんが、メーカー、ユーザー、行政が本気で交通事故対策を考えれば、安全装備の標準装備は実現可能だと思います。
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